70歳までの就業機会確保、着実に進展
厚生労働省が公表した「令和7年 高年齢者雇用状況等報告」の集計結果から、70歳までの就業機会確保に向けた企業の取り組みが、着実に進んでいることが明らかになりました。
同報告によると、70歳までの就業機会確保措置を講じている企業の割合は34.8%となり、過去最高を記録しました。前年と比べると2.9ポイントの増加となっており、高年齢者雇用に対する企業姿勢が一段と前進していることがうかがえます。
今回の集計は、労働者21人以上の企業からの報告をもとに、令和7年6月1日時点の状況をまとめたものです。70歳までの就業機会確保措置は、令和3年に努力義務として制度化されましたが、当初の実施割合は25.6%にとどまっていました。その後、令和6年には31.9%と3割を超え、今回さらに増加したことで、制度開始から数年を経て、企業現場への定着が進んでいるといえます。
厚生労働省も今回の結果について、企業における取り組みが着実に進んでいるとの見解を示しています。背景には、少子高齢化による人手不足の深刻化や、長年培われた高年齢者の知識・技能への期待の高まりがあると考えられます。措置の内容別に見ると、最も多いのは継続雇用制度の導入で、実施企業の割合は28.3%に上りました。定年後も本人の希望に応じて働き続けられる仕組みは、比較的導入しやすく、多くの企業にとって現実的な選択肢となっているようです。一方で、定年制の廃止は3.9%、定年の引き上げは2.5%にとどまり、制度設計や人件費管理の難しさから、慎重な対応が続いていることが読み取れます。
また、雇用以外の形で就業機会を確保する創業支援等措置については、実施割合が0.1%と非常に低水準にとどまりました。高年齢者の多様な働き方を後押しする仕組みとして期待される一方で、制度の理解や活用が十分に進んでいない現状が浮き彫りとなっています。今後、企業に求められるのは、単に制度を整備することにとどまらず、高年齢者が意欲と能力を発揮し続けられる環境づくりです。業務内容の見直しや柔軟な勤務形態の導入、健康管理やリスキリングへの支援など、働き続けやすい職場づくりが重要になります。また、若年層と高年齢者が互いの強みを生かしながら協働できる体制を構築することも、組織全体の活力向上につながるでしょう。
70歳までの就業機会確保は、企業にとって負担ではなく、人材戦略の一環として捉える時代に入っています。今後は、自社の実情に合った制度を段階的に整えながら、高年齢者が安心して働き続けられる持続可能な雇用の在り方を模索していくことが、企業の重要な方向性となりそうです。
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