「同一労働同一賃金」ガイドライン 見直しの動き
厚生労働省は、正社員と非正規雇用労働者との待遇差について示した「同一労働同一賃金ガイドライン」の見直しに着手しました。近年の最高裁判決において「退職金」「住宅手当」「家族手当」「夏季・冬季休暇」などの性質や目的が改めて明確にされたことを受け、これらをガイドラインに反映させるかどうかが検討課題となっています。
「同一労働同一賃金」とは、雇用形態の違い(正社員・パート・契約社員など)のみを理由として、賃金・手当・休暇などの処遇に不合理な格差を設けることを禁止する考え方です。ただし、職務内容や責任の程度、配置転換の有無など、合理的な理由に基づく差異は認められるとされています。
今回の見直しで論点となっているのは、①退職金②住宅手当③家族手当④賞与・病気休職です。また、待遇差を解消する手段として「正社員の待遇を引き下げる」対応についても、現行の「望ましくない」との表現を超え、より明確に規定するかどうかが議論されています。そして、今回の見直しにより、各種手当や休暇に関する合理性の判断基準がより明確化される事や雇用形態による処遇差が透明化し、納得感の向上につながるといった効果が期待されます。企業にとっては、法令・ガイドラインの最新動向を踏まえ、就業規則や賃金制度の見直しを進める必要性が一層高まるといえます。
今後の企業体制のあり方としては、ガイドラインの見直しを踏まえ、正社員の待遇を一方的に引き下げることで生じる士気低下や人材流出といったリスクを回避しつつ、各種手当や休暇制度の目的を明確にして透明性を高めた制度設計と説明責任を果たすことが求められます。あわせて、雇用形態を問わずスキルや成果を正当に評価できる仕組みを整備することで、公平性を確保し人材活用の幅を広げる必要があります。さらに、制度改訂のスピードが速まる中では、法改正や判例動向を継続的にモニタリングし、法令遵守にとどまらず将来を見据えた柔軟な労務管理を行うことが不可欠になってきます。
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