シフト制労働者の年休算定に課題 規制改革会議が問題提起
シフト制で働く人の年次有給休暇は、正しく付与されているのでしょうか。規制改革会議のワーキンググループでは、この点を重要な課題として取り上げ、厚生労働省に対して制度運用の明確化を求めました。焦点となったのは、所定労働日数が事前に決まっていないシフト制労働者の年休を、どのように算出するのかという問題です。シフト制の働き方では、労働契約を結ぶ段階で、週に何日働くのか、どの時間帯で働くのかが確定していないケースが多く見られます。実際の勤務日は、1か月や2週間ごとに作成されるシフト表によって初めて明らかになります。このように、働き方が流動的である点が、シフト制労働の大きな特徴です。
一方、年次有給休暇について定める労働基準法は、所定労働日数や週所定労働時間を基準に付与日数を決める仕組みを採っています。フルタイム労働者であれば一律の日数が付与されますが、パートタイムなどの場合は、週の労働日数や時間に応じて日数を調整する比例付与が行われます。ところが、シフト制労働者のように、所定労働日数が明確でない場合、この考え方をどう当てはめるのかが分かりにくい状況でした。
その結果、現場では年休の付与日数が実態よりも少なく算定されている可能性があると指摘されています。本来は平均的に週4日程度働いているにもかかわらず、所定労働日数が決まっていないという理由から、週3日相当として年休を付与してしまうようなケースです。こうした取扱いは、必ずしも違法と断定されてこなかったため、問題が見えにくくなっていました。また、この問題は労働者自身にとっても分かりづらいものです。シフト制で働く人は、毎月の勤務日数が変動するため、自分が年休を何日もらえるのが正しいのかを判断しにくい傾向があります。そのため、付与日数が少なくても「こういうものだ」と受け止めてしまい、本来取得できる休暇を知らないまま働き続けている可能性があります。
こうした状況を踏まえ、ワーキンググループは、シフト制労働者の年休について、過去の勤務実績を基に平均的な所定労働日数を算出し、それによって付与日数を決める方法を認めるべきだとしました。そして、その考え方を厚生労働省が明確に示すことで、現場の混乱や過少付与を防ぐ狙いがあります。この議論は、2026年に予定されている労働基準法の大きな見直しとも深く関係しています。働き方の多様化が進む中で、従来の制度が現実に合わなくなっている場面が増えており、特に休暇制度の適正化は重要なテーマとされています。シフト制や不定期勤務が広がる今、決まった所定労働日数を前提とする仕組みそのものが問い直されていると言えるでしょう。
今回の要望は、すぐに法律を改正するというよりも、まずは現行制度の解釈を整理し、実態に即した運用を可能にすることを目指したものです。シフト制で働く人が、働いた実績に見合った年次有給休暇をきちんと付与され、安心して休める環境を整えることが、今後の制度議論の重要な出発点になりそうです。
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