障害者雇用納付金制度、義務拡大へ
厚生労働省は、障害者雇用制度の見直しに関する報告書案を大筋で了承しました。今回の報告書案では、障害者雇用の法定雇用率を満たさない企業に課される障害者雇用納付金について、従業員100人以下の企業にも義務対象を拡大する可能性が盛り込まれています。今後は労働政策審議会で議論が行われ、早ければ2027年の通常国会での関連法改正が目指される見通しです。
現在、従業員40人以上の企業には、従業員数の2.5%以上の障害者を雇用する義務があります。このうち、従業員100人を超える企業が法定雇用率を達成できなかった場合、不足1人につき月額5万円の納付金を支払う必要があります。一方、従業員100人以下の企業については、雇用率が未達であっても納付金の支払い義務はありません。
厚労省は、企業規模にかかわらず障害者雇用を促進する観点から、100人以下の企業も納付金制度の対象とすることを検討したい考えです。ただし研究会では、「中小企業では雇用体制や受け入れ環境が十分に整っていない」といった意見も示されており、制度の拡大と同時に、企業の実情に配慮した支援策が不可欠であるとの認識が共有されています。
一方で、障害者雇用そのものは着実に進展しています。厚生労働省が公表した令和7年6月時点の障害者雇用状況によると、雇用義務のある企業で働く障害者数は前年より約2万7,000人増加し、過去最多の約70万5,000人に達しました。実雇用率も2.41%となり、14年連続で過去最高を更新しています。除外率の引き下げといった制度変更があった中でも、法定雇用率(2.5%)を達成している企業の割合は46.0%と、前年と同水準を維持しています。
今年7月には、法定雇用率が2.7%へ引き上げられる予定です。これにより、従業員37.5人以上40人未満の企業にも新たに雇用義務が生じます。今後、障害者人材を巡る環境はさらに厳しさを増すことが予想され、形式的な制度対応だけでは十分とは言えなくなってきます。
こうした状況を踏まえると、今後求められるのは、「罰則としての納付金」を意識した受け身の対応ではなく、障害者雇用を経営課題の一つとして捉える姿勢です。障害者雇用を単なる義務と考えるのではなく、自社の業務や人材戦略を見直す契機とし、長期的に安定した雇用につなげていく視点が重要になります。
障害者雇用をめぐる議論は、単なる制度改正にとどまらず、企業の持続的な成長と社会的責任のあり方を問うものとなっています。今後の制度動向を注視しつつ、企業自身が主体的に「これからの雇用のかたち」を考えていくことが、これまで以上に重要となりそうです。
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