労働力人口が7000万人を突破――女性・高齢者が支える日本の雇用構造
2025年の労働力人口が平均7004万人となり、初めて7000万人を超えたことが、総務省の労働力調査によって明らかになりました。労働力人口は、15歳以上人口のうち就業者と完全失業者を合計したもので、日本の労働市場に参加している人の総数を示します。1986年に6020万人となって以降、長らく6000万人台で推移してきましたが、今回の結果は日本の労働市場において一つの大きな節目といえます。
2025年平均の労働力人口の内訳を見ると、男性は3805万人で前年比5万人の増加、女性は3200万人で同43万人の増加となりました。男女計では47万人の増加となり、3年連続で過去最多を更新しています。特に女性の増加が全体を大きく押し上げており、女性就業者の拡大が労働市場の構造変化を象徴しています。
就業形態別に見ると、正規の職員・従業員は男性が2367万人で前年比12万人増、女性が1341万人で同42万人増となりました。一方、非正規雇用では男性が678万人で4万人減少したのに対し、女性は1450万人で6万人増加しています。女性については正規・非正規の双方で増加が見られ、働き方の選択肢が広がる中で労働参加が進んでいる状況がうかがえます。
2025年の就業者数は6828万人となり、前年比47万人増で過去最多を更新しました。完全失業者数は176万人と前年と同水準を維持しており、雇用情勢は比較的安定して推移しています。また、15歳以上人口に占める労働力人口の割合を示す労働力人口比率は63.8%となり、5年連続で上昇しました。人口減少が進む中にあっても、労働市場への参加率が高まっている点は注目すべき動きです。
長期的な視点で見ると、日本の総人口は2008年をピークに減少へ転じ、2011年以降は減少が続いています。それにもかかわらず、労働力人口は2012年の6565万人から増加傾向を維持してきました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時的に減少したものの、2024年には6957万人まで回復し、2025年には7000万人台に到達しました。この背景には、女性や高齢者を中心とした労働参加の裾野の拡大があります。
特に女性の労働力人口は、2005年の2750万人から2025年には3200万人へと、20年間で450万人増加しました。また、65歳以上の労働力人口も大きく増えており、2005年の504万人から2025年には960万人と、456万人増えています。定年後も働くことを選択する人が増え、高齢者が労働市場の重要な担い手となっていることが明確になっています。
このような結果を踏まえると、企業には従来型の人材活用モデルを見直す姿勢が求められます。若年男性を中心とした画一的な雇用設計では、もはや十分な人材確保は困難です。女性や高齢者が長く、安心して働き続けられる職場環境の整備、多様な働き方を前提とした制度設計、正規・非正規の垣根を越えたキャリア形成支援が不可欠となります。また、体力やライフステージの違いを踏まえた業務設計や評価制度の見直しも重要です。
人口減少社会において持続的な成長を実現するためには、「誰を採るか」だけでなく「誰が働き続けられるか」を軸とした人事戦略への転換が必要です。今回の労働力人口7000万人超という結果は、日本企業に対し、多様な人材を前提とした経営への本格的なシフトを迫るメッセージであるといえるでしょう。
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