政府は、日本成長戦略会議のもとに設置された「労働市場改革分科会」の初会合を開き、労働時間規制の見直しを含む労働市場改革の議論を開始しました。高市早苗首相が掲げる経済政策の一環で、労働市場の活性化と生産性向上を目指す取り組みとして注目されています。分科会には労使の代表や有識者が参加し、今後の働き方のあり方について幅広く議論を進めていく方針です。政府は5月頃をめどに議論の方向性を取りまとめ、その内容を「経済財政運営と改革の基本方針」に反映させることを目指しています。
今回の議論では、「労働生産性の向上」「労働移動の促進」「柔軟で多様な働き方による労働参加の促進」という三つの柱が掲げられています。人口減少による人手不足が深刻化する中、日本経済の成長を維持するためには、労働力をより効率的に活用し、多様な働き方を可能にする制度づくりが重要とされています。政府は制度面の見直しを通じて、企業の競争力向上と労働者の働きやすさの両立を図る考えです。
議論の大きな焦点となっているのが、あらかじめ決めた時間を働いたとみなす「裁量労働制」の見直しです。裁量労働制は、実際の労働時間ではなく、事前に設定したみなし時間に基づいて賃金を支払う制度で、主に研究開発や企画業務など専門性の高い職種に適用されています。経済界はこの制度について、労働生産性の向上や創造性を発揮する仕事に適した働き方を実現できるとして、対象業務の拡大など制度の柔軟化を求めています。企業側からは、時間管理よりも成果を重視した働き方を広げることで、イノベーションの促進や企業競争力の強化につながるとの期待が示されています。
一方で、みなし労働時間制では実際の労働時間が把握されにくく、長時間労働につながる可能性があることから、制度の拡充よりも現行制度の適正運用を徹底する必要があると主張もあります。こうした意見の対立を踏まえ、分科会では制度の拡充の是非や適用範囲の見直しなどが議論される見通しです。さらに分科会では、労働市場全体の活性化に向けた政策についても議論が行われます。特に重要なテーマとして挙げられているのがリスキリング、いわゆる学び直しの推進です。デジタル化の進展や産業構造の変化に対応するためには、労働者が新しいスキルを身につけ、成長分野へ移動しやすい環境を整えることが不可欠とされています。政府はリスキリング支援を通じて労働移動を促進し、生産性の高い分野へ人材をシフトさせることで、日本経済の競争力向上を図る考えです。
また、副業や兼業を行う労働者の健康確保のあり方についても検討が進められる予定です。複数の仕事を持つ働き方が広がる中で、労働時間の管理や健康リスクへの対応をどのように行うかは重要な課題となっています。政府は、副業・兼業を促進しつつ、労働者の健康を守る仕組みを整備する必要があるとしています。
今回の労働市場改革の議論は、日本の働き方のあり方に大きな影響を与える可能性があります。企業にとっては、労働時間制度の見直しや裁量労働制の議論の行方を注視するとともに、柔軟な働き方への対応や成果重視の人事制度の整備など、今後の人材戦略を検討することが重要になります。また、リスキリング支援の充実や副業人材の活用などを通じて、社員の能力を最大限に引き出す環境づくりも求められるでしょう。制度改正の動向を踏まえながら、企業は中長期的な視点で労務管理と人材活用のあり方を見直していく必要がありそうです。
引用/日本法令
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