熱中症による職場の死傷災害が過去最多に
厚生労働省はこのほど、令和6年(2024年)における「職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」を公表しました。それによると、業務中に熱中症を発症した労働者の数(死亡者および休業4日以上の傷病者を含む)は1,257人にのぼり、統計を開始した平成17年(2005年)以降で最多となりました。
前年(令和5年/2023年)の1,106人からは151人の増加となり、これまで最多だった平成30年(2018年)の1,178人を大きく上回る結果となっています。とくに注目されるのが死亡者数の多さです。熱中症による死亡者数は31人にのぼり、これは記録的猛暑となった平成22年(2010年)の47人に次いで過去2番目の多さとなりました。令和6年の夏も各地で記録的な高温が続き、気象庁の観測データでも「観測史上最も暑い夏」の一つとして記録されています。これが労働現場での熱中症リスクの増大に直結したとみられています。
業種別にみると、建設業での死亡者が最多の10人を数えました。つづいて、製造業が5人、運送業が3人となっています。死亡には至らなかったものの、熱中症によって4日以上の休業を強いられた被災者の数も業種によって偏りが見られました。
具体的には以下のような分布となっています。
①製造業 235人
②建設業 228人
③運送業 186人
④警備業 142人
⑤商業 116人
とくに屋外作業が多く、高温環境下での労働が避けにくい建設業や運送業、警備業において、高リスクな状況が続いていることが浮き彫りとなりました。厚生労働省はこの発表に合わせて、熱中症対策は、会社の義務ですが、各事業場に対して「熱中症予防対策の一層の強化」を要請しています。特に屋外作業や高温環境での業務に従事する労働者については、WBGT(暑さ指数)の活用や、こまめな水分・塩分補給、適切な休憩時間の確保、作業環境の改善など、具体的かつ実効性のある対策を講じるよう呼びかけています。
猛暑は今後も頻発する可能性があると指摘されており、熱中症による職場の災害は「突発的な事故」ではなく、予見可能な災害として企業責任が問われる場面も増えています。労働者の命と健康を守るためにも、企業の継続的で実効性のある安全管理体制を構築・運用していくことが強く求められています。
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